REVIEW

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美術評論

Manga Review #27 九井諒子『ダンジョン飯』

“ダンジョン”という言葉や設定はいつごろ日本に定着したのだろう?これを解き明かすには、ダンジョン&ドラゴンズ、ウィザードリィからドラゴンクエストへ、それから連綿と続くRPGの歴史とともに、『指輪物語』から『ロードス島戦記』そして『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』へと展開していく、日本のゲ...

美術評論

Manga Review #26 地主『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』

地主『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』はTwitter(現X)発の作品。web漫画として2022年に公開した『スーパーの裏でヤニ吸う話』が人気となり、同年単行本発売を機に改題されて月刊誌での連載開始となった話題作だ。 日本では2020年に改正健康増進法が全面施行されて屋内は原則禁煙になり、喫煙できる場所を探す...

美術評論

Manga Review #25 トリリオンゲーム

『アイシールド21』『Dr.STONE』の原作者・稲垣理一郎と『男組』『サンクチュアリ』の作画で知られる劇画界のレジェンド・池上遼一がタッグを組んだ『トリリオンゲーム』。この2人が作る作品、面白くないわけがないのだ。誰が相手でもトークは抜群、ケンカも強く破天荒な行動力のハル、パソコンオタクで自己肯定感低めだ...

美術評論

Manga Review #24 『薫る花は凛と咲く』

三香見サカ『薫る花は凛と咲く』は、少年マガジンの公式漫画アプリで連載中の作品。少年マガジンなので、掲載される作品の対象読者としては主として男性が想定されていると思う。その想定のうえでこの作品を読んでみると、これは少女あるいは女性向けの漫画アプリだったかな?と思う。つまり『薫花は凛と咲く』は異色の作品なのだ。...

美術評論

Manga Review #23

『シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』 通信環境の向上とスマホの登場で、ゲームの世界はさらにたくさんの人を引き込んで大きく拡張している。ゲームはテクノロジーがどれほど発達してツールが変化しても、モンスターや敵をいくら倒しても、字義通り遊び(プレイ)が本質だろう。そうしたゲーム...

美術評論

Manga Review #22

骨ドラゴンのマナ娘 龍あるいはドラゴンを思い浮かべてみよう。どんなイメージ=図像が現れてくるだろう? 龍、ドラゴンという想像上の生き物は、古来世界各地の神話や伝説に登場する。ざっくり、東洋では龍は皇帝のシンボルとして、あるいは雨を降らせ水を司る神の使い、龍神など神そのものとして信仰の対象にもなってきた。また...

美術評論

Manga Review #18 

『インク色の欲を吐く』 絵を描くことは人間ならではの表現活動で、そしてマンガは物語を言葉と絵で描く表現である。ルーブル美術館もマンガを建築、彫刻、絵画、音楽、文学(詩)、演劇、映画、メディア芸術に次ぐ、第9番目の芸術としたように、マンガが美術という大きな文化、表現領域に分類されても異論はないだろう。マンガの...