Fashion Review #07
Theme 7 “le faux col ”
テーマ7:付け襟
桜の蕾もいくつか開いたことに気づいた瞬間、
空気に甘い花の香りがするような気持ちになる。
東京の春はふんわりと雲が晴れるように訪れる。
春がきたと思った瞬間、世界の全てが解決したような晴れ晴れとした気分になる。
でも、少し歩いただけで、じんわりと汗ばむから、油断すると風邪をひくから要注意だ。
少し薄着になった日に、春の花をあしらった付け襟をしてみたい。
襟、というアイテムは古くから顔まわりを彩り、人々の注目を集めた。
大きな襟、ラフカラー、レース編み・・・和装でも半衿には刺繍など豊かな表現がされてきた。
身体において首や顔周りは頻繁に可動するため、摩擦などから他の部分より衣服の消耗が激しい。
大きなドレスを着ていた時代は、襟や袖を付け替えることでデザインチェンジをし、長く衣服を着用した。近年、サステナブルの観点からも着脱で新しい着こなしが楽しめる付け襟は再評価されているようだ。
付け襟を楽しむためには上質でシンプルな丸襟のトップスが欲しい。ワンピースだったら単色でウェストまでゆったりとした、少しクラシックなシルエットが良さそうだ。
丸い襟は幼い印象もあるが、大人の女性だったら遊び心のある雰囲気が出るだろう。
付け襟をたのしむということは、本当のおしゃれ上級者がする技だと思う。
慣れるまでどうしても襟のことが気になってしまいそうだ。
しかし、そんなソワソワとした気持ちこそ、春にふさわしいような気がする。
“Embroidery work and text by Satomin”
*This piece is made of recycled materials.*
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