
Manga Review #23
『シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』 通信環境の向上とスマホの登場で、ゲームの世界はさらにたくさんの人を引き込んで大きく拡張している。ゲームはテクノロジーがどれほど発達してツールが変化しても、モンスターや敵をいくら倒しても、字義通り遊び(プレイ)が本質だろう。そうしたゲーム...
『シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』 通信環境の向上とスマホの登場で、ゲームの世界はさらにたくさんの人を引き込んで大きく拡張している。ゲームはテクノロジーがどれほど発達してツールが変化しても、モンスターや敵をいくら倒しても、字義通り遊び(プレイ)が本質だろう。そうしたゲーム...
骨ドラゴンのマナ娘 龍あるいはドラゴンを思い浮かべてみよう。どんなイメージ=図像が現れてくるだろう? 龍、ドラゴンという想像上の生き物は、古来世界各地の神話や伝説に登場する。ざっくり、東洋では龍は皇帝のシンボルとして、あるいは雨を降らせ水を司る神の使い、龍神など神そのものとして信仰の対象にもなってきた。また...
『まめで四角でやわらかで』 不昧公こと松江藩松平家7代藩主の松平治郷(1751~1818年)。財政改革の功績で知られる一方、大名茶人としても名を残し、茶の湯をはじめ和菓子や陶芸など、現代にも継承される松江市の文化の礎を作ったとも称えられている。その不昧公が手がけた『豆腐自画賛』という掛け軸がある。豆腐がさら...
『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』 2022年に出版された数多のマンガ作品の中で、同業の漫画家はもちろん評論家、編集者、研究者などの多くのマンガに関わる人たちに支持され称賛されているのが、このいしいひさいちの『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』。カルチャー雑誌フリースタイルの「THE BEST N...
『かくかくしかじか』 1999年にデビュー、『ひまわりっ ~健一レジェンド~』『海月姫』『主に泣いています』『東京タラレバ娘』など実写化された作品も多い東村アキコ。ギャグ、パロディをベースに、女性たちのリアルな言葉や気持ちを描く一方で、育児をテーマにしたエッセイ漫画『ママはテンパリスト』、戦国時代を描いた『...
『インク色の欲を吐く』 絵を描くことは人間ならではの表現活動で、そしてマンガは物語を言葉と絵で描く表現である。ルーブル美術館もマンガを建築、彫刻、絵画、音楽、文学(詩)、演劇、映画、メディア芸術に次ぐ、第9番目の芸術としたように、マンガが美術という大きな文化、表現領域に分類されても異論はないだろう。マンガの...
『家が好きな人』 イラストレーターの井田千秋の作品。“コミック&イラスト集”という帯の紹介文に現れているように、ストーリーマンガではなくてイラストを中心にマンガのコマを使って登場人物の動きや時間、小さな物語を加えてみました、といった柔らかな雰囲気の一冊。オムニバス形式で5軒の家や部屋と住人の日常のひと時が描...
“散歩”がジャンルとして認められるくらい、散歩を描いたマンガ作品がたくさん見つけられるようになってきた。例えば2000年代前後、谷口ジローの『歩くひと』(小学館 1998年)は、谷口の精緻な筆致で描かれた風景が世界的な評価を獲得した作品。谷口が『孤独のグルメ』でタッグを組んだ久住昌之との『散歩もの』(扶桑社...
『光の箱』 思春期の女子だけに発現する無用力をめぐるコメディ『うちのクラスの女子がヤバい』シリーズや『制服ぬすまれた』(2018年 小学館)、『ベランダは難攻不落のラ・フランス』(2018年 イースト・プレス)など、物語の独特なリズムとシュールな設定で不思議な読後感を与える衿沢世衣子。『光の箱』(小学館 増...
Theme 7 “le faux col ” テーマ7:付け襟 桜の蕾もいくつか開いたことに気づいた瞬間、 空気に甘い花の香りがするような気持ちになる。 東京の春はふんわりと雲が晴れるように訪れる。 春がきたと思った瞬間、世界の全てが解決したような晴れ晴れとした気分になる。 でも、少し歩いただけで、じんわり...